上質な革艶に野趣溢れる風格を宿した日本製オイルワックスレザー

外装に起用した素材は、名実ともに日本を代表する名門タンナーである“栃木レザー社”が手間と時間を惜しむことなくじっくり丹精込めて仕上げたオイルワックスレザー。
柔軟に繊維をほぐしてシボを入れたピット鞣しのヌメ革に、オイルとワックスを手塗りでたっぷりと含ませることで凹凸感に富んだワイルドな表情を引き出し、仕上げにアイロン掛けを施すことで上品な光沢を纏わせた牛革です。
しっとりとしなやかで弾力のある感触は使い込むほどに一層手に馴染み、色艶の深まりとともに味わい深く経年変化を遂げていきます。表情豊かな野趣溢れる風格にエイジング特性を兼ね備える、男前な魅力に満ちた逸材です。

この革は、鞣し技法の種類の中でも特に大きな時間と労力と設備環境を必要とする“ピット鞣し”を用いて加工。ピット鞣しは革への負担を最小限に抑えて革本来の風合いを最大限に生かすことができる、匠たちの高い志が育んできた貴重な伝統技法です。
ピット槽と呼ばれるタンニン鞣し剤の入った大きなプールに皮一枚一枚を漬け込み、タンニン濃度の薄いピット槽から濃いピット槽へと丁寧に移し変えながら、実に20日間もの期間を経て重ね漬けすることで革の芯までタンニン成分を浸透させます。
環境への配慮から有害物質を排出する薬品を一切使用せず、ミモザの樹皮から抽出された植物性タンニン剤のみで鞣し上げることから、ピット鞣し加工を経た革は“フルベジタブルタンニンレザー”とも称えられます。

また鞣し工程の後に行われる染色工程においても、予め染料が革の芯まで浸透着色する“芯通し”加工を施し、その後に表面の染色を職人の手作業で手間ひま掛けて仕上げています。
革の表面だけに塗料を付けて覆ってしまう類の染色とは一線を画す仕上がりで、生来の傷やシワといった面影を残したリアルな表情と質感は生命力に満ちた本革の醍醐味たっぷり。
エイジングの過程で表面に傷を付けてしまった場合も、芯通し染めによる補色効果と、内側から染み出てくる油分による保湿効果の相乗ケアにより馴染みやすく、傷跡さえも男の勲章の如く味わい深い魅力へと昇華しながら経年変化を堪能することができます。

収納力と利便性にこだわり抜いた、独自設計の傑作モデル

本品はカードポケットが豊富で、収納力と使いやすさを兼ね備えた大容量の長財布です。
外装は贅沢な大判一枚革で仕立てることで表情豊かな革の個性を全面に活かしています。
外観を引き締めるラウンドファスナーはＹＫＫの上位ラインである “エバーブライト” を採用。
美しい輝きと耐食性に定評があり、滑らかな開閉アクションとレザー製品に好相性な長期耐用性を兼ね備えています。

バイカラー仕様が印象的な内装は、しっとり柔らかで手馴染みの良いバケッタレザーで前面を彩りつつ、表立って見えにくいポケット裏など適所適材にコットン素材を組み合わせるハイブリッド設計で、余分な厚みを抑えて軽量化にも配慮しています。

内装づくりは一般的なラウンドファスナー財布の構造とは違い、一部を片マチ仕様で仕立てたこだわりの独自設計を採用。
これにより財布全体が大きく開いて見渡しやすく、カードやお札の取り出しもスムーズ。片マチ仕様の面には縦型のカードポケット群を備えており、会計時もスマートに見栄えするアクションをサポートします。

ファスナー小銭入れ×１、札入れポケット×２、フリーポケット×３、カードポケット×１８と大充実の機能を備え、整理しやすく収納力も優秀。
従来のラウンドファスナー長財布には無い工夫を凝らすことで、個性あふれる機能美を実現したチマブエが誇る傑作モデルです。

幾星霜の時を経て熟成したヴィンテージアイテムの如く味わい深いカラーバリエーション

カラーバリエーションは幾星霜もの時を経て熟成したヴィンテージアイテムのごとく味わい深い厳選の３色展開。

光の加減で繊細に表情を変える黒曜石のように艶やかな漆黒の外装に、年月を重ねた調度品のようなウォールナットカラーの内装が浮かび上がり、クラシカルな温もりを感じられる「ブラック」。
世代を超えて愛され続ける老舗暖簾を想起させる濃藍の外装に、ビンテージデニムを彷彿とさせる碧掛かったインディゴカラーの内装が鮮やかに冴え、吸い込まれるような魅力を湛える「ネイビー」。
眩い琥珀のような透明感と深みが映える黄褐色の外装に、円熟味溢れるコニャックカラーの内装が奥ゆかしさを添え、瑞々しく香り立ちそうな気品に満ちた「キャメル」。

いずれのカラーも日本とイタリア双方の高度な染色技術が掛け合わさった濃密なカラーコンビネーションが際立ち、研鑽を重ねた匠の技と感性によって表情豊かな本革のポテンシャルを余すことなく引き出した仕上がりです。